生誕150年 横山大観展

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東京展担当学芸員が語る
大観の魅力

大観の奇想天外ぶりに注目!

生涯の師、岡倉天心は大観についてこのように述べています。

「奇想天外より落ち、毎回人を驚かすものハ横山大観の作なり。『屈原』一たび出でゝより、高邁雄偉の新思想を画界に紹介したるもの、恐らくハ大観の右に出づる者なかるべし」。

新しい日本画を生み出そうとする大観の気概や生来の好奇心があふれていたんでしょうね。現存する作品から分かる以上に、当時大観はさまざまな主題と表現に柔軟に取り組んでいたのは本当です。

大観の柔軟さは、実際に眼にしたものをすぐさま主題として取り込んでしまう点にも表れています。例えば、明治36(1903)年にインドへ渡った大観は、帰国後《白衣観音》や《流燈》といった大作にインドでの印象を表現しています。一緒に旅行した菱田春草がインド風の主題を小品にしか描いていないことを思えば、大観がいかに積極的に見てきたものを表現しようとしていたかがわかります。

また、アメリカと中国で見物した名所を対の屏風にした《瀑布(ナイヤガラの滝・万里の長城)》や、1910年に地球に接近したハレー彗星を描いた《彗星》も、大観の主題選択の柔軟さを物語っています。

本展では、明治時代の作品も多く展示しているので、大観の他と違う着想や表現をお楽しみいただきたいと思っています。

大観と天心、春草らとの関係はこちらの相関図をご覧ください。

《彗星》 1912(明治45)年頃 絹本墨画 個人蔵 (展示期間:東京展4/13〜5/6展示、京都展6/8〜7/1展示)

白衣観音びゃくえかんのん 1908(明治41)年 絹本彩色 個人蔵 

個人的な一押し作品《霊峰十趣》

《霊峰十趣のうち 春》
1920(大正9)年頃 絹本彩色
(展示期間:東京展4/13〜5/6展示、京都展6/8〜7/1展示)

《霊峰十趣》は10点組みで、かつては個人がまとめて所蔵していたのですが、その後、1点1点バラバラになってしまい、現在となっては行方が分からない作品もあります。本展ではそのうちの4点<春・秋・夜・山>が揃って展示されるので大変貴重な機会です。お見逃しなく!

特に《霊峰十趣のうち 春》は金泥を塗った地に浮かぶ白い富士がマンゴーソースの中のパンナコッタそのもの。大観が描いた富士山の中では最も抽象化されていて、単純化が極まっています。昭和に大観が描いた富士山からは想像できない造形感覚をお楽しみいただけると思います。

大観が描くかわいい動物たち

大観が描く動物はとても不思議なポーズをとっていることが多いです(笑)。首が直角にゆがんでいたり、とてつもなく身体がゆがんでいたり、目がすごく離れていたり…。ただそれが魅力でもあってどれもグッズにしたくなるかわいさです。なかでも《胡蝶花》の「こんにちはー」という感じのイタチや、《山茶花と栗鼠》のもぐもぐタイムのリスのかわいさは抜群です。

《胡蝶花》 大正10(1921)年 絹本彩色 株式会社常陽銀行蔵 (展示期間:東京展4/13〜5/6展示、
京都展7/3〜7/22展示)